血液・腫瘍内科

血液・腫瘍内科

診療科のご案内

血液・腫瘍内科科長 神谷 悦功

平成22年4月1日より血液・腫瘍内科を開設しました。私たちは血液の病気とがんの薬物療法を行う診療科です。血液・腫瘍内科というとあまり馴染みがないことから、どのような診療をしていて、どのようなときに受診したらよいのかと思われることでしょう。
血液疾患としてよく日常診療で目にするものに、貧血、白血球の増加と減少、血小板の増加と減少など血液のバランスが崩れてしまう病気があります。例えば貧血では、検査値の異常として赤血球が少なくなっているということなのですが、原因はさまざまであり、治療方法も原因に応じて異なってきます。私たちはこれらの病気の診断、治療を行います。
また、血液の病気には、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの悪性腫瘍(がん)があります。がんの治療方法には大きく分けて手術、放射線療法、薬物療法があります。薬物療法は抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬剤などの薬でがんをやっつける治療方法です。手術や放射線治療が局所の治療であることに対して、薬物療法は全身の治療です。薬は内服したり、注射したりすることによって体の中に吸収され、血液で全身へと運ばれるので、がんが全身へ広がっていたとしてもやっつけることが出来ます。白血病などの多くの血液のがんは診断時に全身に広がっているため、抗がん剤治療が優先して行われます。近年では抗がん剤、ホルモン剤、分子標的薬剤の進歩によって、血液のがんだけでななく、乳がん、大腸がん、肺がんなどの固形がんにおいても薬物療法の役割は大きくなってきました。私たちはがんの種類を問わず、安全で質の高い薬物療法を行います。

当院血液・腫瘍内科の特色

当院では特に

  1. 血液の病気(貧血、血小板減少、血液悪性腫瘍など)の診療
  2. がんの薬物療法・緩和医療

に力を入れています。
血液の成分は赤血球、白血球、血小板に分けられます。赤血球は酸素を体の隅々にまで運搬する役割を、白血球は体を細菌やウイルスなどから守る役割を、血小板は出血を止める役割をしています。毎日、これらの成分は骨髄という場所で作られ、古くなった赤血球と血小板は主に脾臓で壊され、常に血液の数が一定になるようにバランスがとられています。
貧血は、血液成分の産生と破壊のバランスがおかしくなり、赤血球が少なくなった状態をいいます。日常診療で最もよく遭遇する血液の代表的な病気です。赤血球が少なくなると酸素が十分に運搬されなくなるために、息切れ、倦怠感、めまい、動悸などの症状が出現します。貧血の原因は多数あり、治療方法はそれぞれ異なりますので、原因を明らかにすることが大切です。健康診断で貧血と言われたときや上記の症状があるときには受診して下さい。
また、血小板が少なくなると出血しやすくなり、紫斑(点状に多数の小さな出血斑や青紫色の大きな出血斑)が見られたり、歯肉からの出血、鼻からの出血などが出現したりします。血小板が少なくなる原因も多数あり、やはり治療方法は異なりますので、原因を明らかにすることが大切です。健康診断で血小板が少ないと指摘されたときや上記の症状が続くときには受診して下さい。

血液の悪性腫瘍について説明します。血液の代表的ながんには、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などがあります。
急性白血病では正常な血液が作れなくなるため、免疫力が低下し感染しやすくなるため肺炎などの感染症をおこしたり、原因不明の発熱が続いたり、貧血、血小板減少に伴う症状などが出現したりします。
悪性リンパ腫では首、わきの下、そけい部のしこり、原因不明の発熱、体重減少、寝汗などの症状がはじめに出現します。
多発性骨髄腫では骨が脆くなってしまうため、痛みの症状からはじまることが多い疾患です。腰痛で発症することが多いのですが、罹患される方の年齢が白血病や悪性リンパ腫と比較して高いので、腰痛があるからといってすぐに多発性骨髄腫を心配する必要はありません。貧血、嘔吐、意識が悪くなるなどの症状で見つかることもあります。
いずれの病気でも治療は抗がん剤治療を行います。治療に用いる抗がん剤は白血病の種類、悪性リンパ腫の種類、多発性骨髄腫でそれぞれ異なります。きちんと診断を確定した上で、それぞれの疾患にあった抗がん剤治療を選択します。上記のような症状があるときにはご相談ください。

固形がんの治療では手術を中心とした治療が行われていますが、新薬の開発が進んだことにより、薬物療法の役割は大きくなっています。薬物療法は、以下のようなときに行われます。

  1. 手術で取りきれないような進行したがんでがんの転移があるとき。
  2. 手術でとりきれるケースでも、手術後に再発する可能性が高いと考えられるとき。手術の前後に薬物療法を行い再発率を下げる目的で行われます。
  3. 手術の前に行い、手術の侵襲を少なくしようとするとき。
  4. 放射線と組み合わせて化学放射線療法として行うとき。

私たちの診療科では、主に進行したがんの薬物療法を行っていきたいと考えています。

緩和ケアとは、国立がんセンターがん情報サービスでは以下のように説明されています。

緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的、心理学的問題、スピリチュアルな(霊的な・魂の)問題に関してきちんとした評価をおこない、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、クオリティー・オブ・ライフ(生活の質、生命の質)を改善するためのアプローチである。

ここで大切なことは、緩和ケアの対象が「患者とその家族」で、開始する時期が「疾患の早期」であり、その目的ががんに伴う諸問題に関して「予防したり対処したりする」によって、「クオリティー・オブ・ライフを改善する」ということです。緩和ケアがマイナスのイメージで捉えられている「敗北の医療」や「もう先がないときに行う治療」ではないということです。
このような考え方にたって、私たちは薬物療法を行う際に、同時に緩和ケアも進めていきます。

高齢者のがん医療、がんのリハビリ

二人に一人ががんに罹患する時代になりました。がん患者に罹る患者さんが増えていますが、その多くは高齢者です。高齢者のがん診療で大切なことは、手術、放射線治療、外来化学療法をやみ雲に行うことではなく、運動機能、生活機能を維持することにあると考えます。私たちはリハビリ、緩和ケアといった治療を行った上で、積極的ながん治療を行っています。特に、がんのリハビリには力を入れており、積極的な治療を行っても運動機能、生活機能を落とすことなく、退院していただけるように心がけています。

 
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